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かぶき入門

strong>本, 郡司 正勝

によって 郡司 正勝
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本書は戦後のかぶき研究を主導し、その舞台の創造にも自ら関わった演劇学者(1913〜98年)が、1954年に刊行した本の62年新訂版を文庫化したものである。本書によれば、第一にかぶきとは民衆を対象として(特に贔屓連中や集団的批評=評判に支えられて)慰みという精神の上に構成されたお芝居であり、この点で貴族を対象として幽玄という精神の上に構成された能とは異なる。第二に、かぶきは西洋の戯曲中心の演劇とは異なり、役者の肉体中心の演劇であり、祭祀的・舞踊的・階級的・感覚的な性格をもった東洋の様式的な演劇である。第三に、かぶきは見立てを活用し、役者が見物と共に創る享楽的な「現代劇」である。第四に、かぶきは虚構のお芝居であり、リアルさを求めず、適度な美化と誇張(絵心、唄うようなセリフ、独特のかつらや化粧など)を重視する。本書はこうした本質規定の下に、歴史(前史と本史)、劇場構造、見物、役者の階級(門閥主義とも関連)と役柄、脚本と作劇法、俳優術と衣装(ぶっかえりなどのように、衣装の動き自体がかぶきでは重要な意味を帯びる)・演出(照明の未発達、象徴的な擬音、大道具と小道具の分業など)など、かぶきの諸側面を、独特な表現で比較的平易に解説する。その上で、現代のかぶきが映画やテレビなどとの競合や高級化志向によって、すでに大衆性を失っていることを著者は指摘し、低俗な現代化よりは厳しい古典化の道を提言する。著者のこの提言には異論もありえようが、かぶきの理論と実践の双方に深い理解を持ち、自らの言葉でそれを語り、かぶきの現状を真摯に直視した著者ならではの分析と提言が本書には書かれており、一読に値する。

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